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「死に金」化する内部留保  賃上げに回せば好循環つくれる

                                          一ホームページ読者 

 読者のみなさん、こんにちは。
「しんぶん赤旗」日曜版(10/7号)に、“大企業の内部留保が増え続け「死に金」化している、賃上げに回せば景気の好循環がつくれる”という記事が載っていました。
 少し長いですが、ほぼ全文を転載して紹介したいと思います。

 大企業の内部留保が増え続けています。9月3日に財務省が発表した法人企業統計調査によれば、017年度には約426兆円となりました。安倍政権になってからの5年間で92兆円も増えたことになります。内部留保とは、①利益のうち、株主に配当されず企業内に残された「利益剰余金」②株式発行や企業再編、自己株式の売買などの資本活動によって生じた利益である「資本剰余金」③あれこれの理由をつけて利益に計上されないまま企業内に残された「引当金」や「準備金」の合計額をいいます。(一般のマスメディアは、①だけを「内部留保」と呼んでいます)
 
17年度の大企業(資本金10億円以上、金融・保険業を含む全業種)の内部留保の内訳は利益剰余金270兆円、資本剰余金128兆円、引当金等28兆円となっています。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、「世界で一番、企業が活動しやすい国をめざす」として、金融緩和による円安誘導や、法人税の減税、公的資金の株式市場への投入など、大企業優先のかぎりをつくしてきました。その結果、大企業は史上最高の利益をあげ、内部留保が急増したのです。
 一般的にいえば、内部留保が増えることは悪いことではありません。企業が利益のすべてを株主に配当してしまい、企業内に1円も残さなかったら、企業規模は大きくならず、経済も発展しません。内部留保を残して、新たな投資を行うことは経済発展にとって必要なことです。いま、内部留保が問題になっているのは、新たな投資への使い道がなく、「余剰資金」となっているからです。
 金融・保険業を除く大企業でみると、最近の5年間で内部留保は28%増で75兆円も増えましたが、「有形固定資産」は7兆円増(3.8%増)にとどまり、「現金預金」が18兆円増(38%増)、「自己株式」が6兆円増(55%増)。内部留保が設備投資にはほとんど回らず、使い道のない余剰資金、いわば「死に金」と化しているのです。
 企業が利益を増やしても投資を増やさないのは投資して生産を増やしても売れる見通しが立たないからです。その土台には国民の所得が増えず、国内消費が冷え込んでいることがあります。大もうけしている大企業でさえ、従業員の賃金は最近5年間で2.7%しか増えておらず、この間の物価上昇(6%)を大きく下回っています。これでは、安倍首相がいう「経済の好循環」など起きるはずがありません。
 大手企業約600社を調べると、内部留保の1%を使うだけで、3分の2の企業で非正規やグループ企業を含めた全社員に「月2万円」の賃上げが可能になります。「余剰資金」となっている内部留保の一部を活用し、大幅な賃上げを実現することが求められます。

  私たちの働くシオノギでも、この9月期決算で、内部留保のうち「利益剰余金」だけでもこの半年間で432億円増え、6,176億円となりました。ぜひとも大幅な賃上げに回してもらいたいものです。みなさんはどう思われますか。

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